⽇本ヒプノ⾚ちゃん協会の理念
私たち⼈類は⺟なる地球によって育まれ、⺟なる地球によって⽣かされてきました。ところが現代におけるストレス社会の中では、⾃然と調和された本来の健全なサイクルが崩壊しつつあります。
太古から⾃然に⼦どもを産み、⺟乳を与え育むようにデザインされた⼥性の身体は、本来の機能を活かしきれず、⼼はストレスに蝕まれてしまっています。⼥性が、そして⺟なる地球が、真の健康を取り戻していくために、次世代へと⾃信を持って渡せるバトン創りに、日本ヒプノ⾚ちゃん協会は真剣に取り組んでいきます。
『ヒプノ⾚ちゃん』の出産とは?
催眠を⽤いた次世代の⾃然出産法『ヒプノ⾚ちゃん』は、⼥性の身体に本来備わっている、穏やかで快適な⾃然出産能⼒を最⼤限に引き出す出産教育プログラムです。出産がもたらす無上の喜びを感じ取るための⽅法を学びます。
本来出産とは、⼥性が宇宙と地球との繋がりをリアルに体験できる神秘的瞬間であり、⼦宮の波動運動に⾃らを明け渡し委ね解き放たれた時、最⾼のエクスタシーを味わえるものなのです。ところが現在の出産はそれとは真逆な状態へと⼥性を追い込んでいます。機械的に管理されたシステムの中、⼥性たちは潜在的に備わっている出産能⼒を奪われ、無⼒感と恐怖と不安の中へと放り出され、古くから受け継がれてきた⽣命の源との深い愛の繋がりを断ち切られた状態で、この優美な分娩という舞を封印されてしまったのです。
出産は⾄福の経験を味わえる貴重な機会なのです!
ご⾃分の出産を医療にお任せ状態にしていたのでは、その喜びを深く味わうせっかくの機会をのがしてしまうかもしれません。代替⼿段として「麻酔の代わりに催眠によって痛みを取り除いてくれる」といった受け身的で消極的なものでも決してありません。
⼥性には正常で⾃然で健康な出産をする機能が備わっています。
ほとんどの妊婦さんは(ハイリスク妊娠の場合を除いて)穏やかで快適で落ちついた出産が可能なのです。
⼥性の身体はどうやって⾚ちゃんを産めばいいのかが分かっています。
妊娠中、「今⽇は臓器を作りましょう、今⽇は⼿と⾜を作りましょう」などと頭で考えて⼦どもを作る⼈はいませんよね。私たちの身体は、⼦どもを創造し、成⻑を育み、時が満ちたとき⼦宮の波動運動を始めます(⼀般的に陣痛と⾔われているものです。『ヒプノ⾚ちゃん』では痛みを連想させる陣痛という⾔葉を使わずに、波動運動といいます。但しこれは医療従事者に強要するものではありません)。
“出産”という⺟親と⾚ちゃんにとって次なるステージへの移⾏期もまた、⾃然にそれを⾏っていくのです。ですから、「ちゃんと産めるのかな?どう産めばいいんだろう?」等と考えなくても、「⺟体と⾚ちゃんが各⾃のすべきことは知っている」ということを信じ受け⼊れるのです。
『ヒプノ⾚ちゃん』は代替⼿段ではありません
このプログラムの理念は、医学的介⼊そのものを排除するものではありません!
便宜さのためだけに⾏われる型どおりで独断的な、あるいは不必要な医療介⼊を排除するものです。不必要な介⼊は、⺟と⼦どもの⾃然な呼吸とリズム、⽣命エネルギーとの調和を誕⽣当初から乱すことになります。また、⼈⽣を共にしていこうとする家族の役割の重要性(絆づくり)をスタートから妨げてしまいます。
あらゆる家族にとって、『ヒプノ⾚ちゃん』を⽤いた出産準備は有意義なもの
出産が予想外の⽅向へと発展し、分娩過程が計画していたようには進まず、医療的介⼊や場合によっては⼿術が必要となった場合でも、残されている選択肢を検討し、状況を判断し、⼗分な情報を得たうえでの決断を⾏うにあたり、『ヒプノ⾚ちゃん』によって親たちは落ち着きを保ち、リラックスし、状況を管理することができるのです。リラックスして落ち着いた状態は、⺟親の回復を容易にし、回復期間中に必要な薬も減らすことができるのです。
⺟親が受けるバーストラウマを回避する
バーストラウマとは⼀般的に出産時⼦どもが受ける、外的内的要因による衝撃的な⾁体的、精神的な影響(傷)のことを指しますが、⺟親にもバーストラウマが存在するということはあまり知られていません。
⺟親が出産時に体験した⾁体的精神的な傷跡は、⻑い間それにとらわれ苦しみ、⼦育てに多⼤な影響を残すことも少なくないのです。
『ヒプノ⾚ちゃん』では、そのような状況に陥る前に、⾁体的精神的に受けるダメージを回避する⽅法も学びます。
⾃然にこだわりすぎたり、偏った価値観を主張することなく、これからの時代は、⼈間本来の⼒を最⼤限に引き出しながら、必要であれば現代医療の恩恵をも受け⼊れ融合していく時代です。
恐れを取り除く!
「恐れ」は最も激しく衰弱⼒の強い感情です
通常妊婦さんは身体に対する恐れの悪影響を教わりませんし、その解放の仕⽅を指導されることもありません。身体に対する恐れの悪影響について認識することはとても重要です。
⼥性が持つ本能的な出産能⼒を邪魔するものを取り除く!
世界共通する出産に対するネガティブな暗示(分娩=痛み)と思い込みが、本来⼥性が持つ穏やかで快適な出産能⼒を阻害し、お産を痛みが伴う困難なものとしてしまっているのです。ある意味で、思った通りのことが現実となっているわけです。
出産に対してどんな信念を持っていますか?
植え込まれている分娩に対する恐怖を解放することは、『ヒプノ⾚ちゃん』プログラムが⾏う第⼀ステップです。『ヒプノ⾚ちゃん』では、感情と身体反応の法則、暗示のマネージメントをしっかりと学びます。
- テレビドラマや映画などですさまじい出産シーンが脳裏に焼き付いていませんか?
- ⺟親や親戚、友⼈など出産経験者から、困難な出産体験を聞かされていませんか?
- 書籍などで合併症など特殊なケースと痛みの観念を強化していませんか?
- 医療介護⼈のネガティブで独断的な発⾔に翻弄されていませんか?
恐れから解放されていると、まさに出産の開始と同時にリラックスの状態を作り出すことができるのです。
⼈の⼼や意識と身体は密接に連動しています。もし妊婦さんが「出産は痛いし、⾟いものなんだ」と発想したとたん、背筋に緊張が⾛り、呼吸が浅くなったり⾎流がにぶくなり、全身の筋⾁が硬直していきます。逆に、何の⼼配事もなく、⼼が平和で穏やかな時は、全身の筋⾁が緩み、⼒が抜けてラクになります。
お産がスムーズに進むためには、「⼼身のリラックスした状態をいかにキープするか」ということが⼀番のポイントになります。
分娩過程と⾃律神経の関係
恐れが身体にもたらす身体的な影響は、⾃律神経の機能に由来しています。
〈⾃律神経を構成する⼆つの部分・交感神経と副交感神経〉
交感神経の働き
ストレスを感じたり、怯えたり、驚いたりすると交感神経が刺激されます。⺟体が未解決な恐れやストレスを持って出産に臨むとき、すでに防衛姿勢にあり、交感神経の特徴である『闘争、逃⾛、停⽌』反応を作りだします。これが作動すると、⼼拍の速度と強度は上がり、身体が驚愕し、身構える動作を引き起こします。このとき⺟体はストレス闘争ホルモンと呼ばれる痛みを誘発する⼿強いカテコラミンを分泌するのです。
闘争ホルモン・カテコラミンが分泌されると・・・
⼦宮は身体の防御機構の⼀つではないので、⾎液は⼦宮へ⾏かず、防御にあたる器官へと送り込まれます。これにより⼦宮へ続く動脈は緊張・収縮し、⾎液と酸素の流れが制限されます。⼦宮内の筋⾁が機能する上で不可⽋な酸素と⾎液が限られてしまうことで、本来であればリラックスして開くべきところを、硬くなって収縮してしまいます。⼦宮内の筋⾁は、産み出そうとする⼒と抵抗する⼒とが相反して働き、出産する⺟体に相当の痛みが引き起こされ、⾚ちゃんにとっても悪影響を与えます。
副交感神経の働き
⼼と身体を調和してバランスのとれた状態に保ちます。身体は落ち着いた状態で機能し、刺激を緩和し、有害なストレスホルモンの放出を抑え、概して良好な状態に保ちます。また副交感神経では身体の正常機能が回復・維持されるのです。
幸せホルモン・エンドルフィンが分泌されると・・・
分娩中の⺟親が快適でリラックスした状態にある場合、身体の⾃然な鎮痛剤・エンドルフィンを分泌します。それにより⼦宮内の筋⾁は調和して機能します。そして安らかな健忘状態を作り出します。⾚ちゃんと⾃分の身体に気持ちが集中していくにつれて、周囲のことにも気を散らさずに⺟親と⾚ちゃんが⼀つとなり、穏やかでスムーズかつ楽な出産が始まるのです。
妊婦の⼼と身体は調和しているとき、最⾼の⼒を発揮します!
⾟く痛みを伴うような感情、経験、記憶は、出産能⼒を制限してしまうため、有害な感情は早めに特定し解放しておく必要があります。穏やかで快適な出産の妨げとなっている制約的な思考、経験、記憶を解放しておくことで、信頼と⾃信を持って出産へ臨むことができるでしょう。
あなたはどんな出産を思い描きますか?
ポジティブマインドと『暗示の法則』
前向きな思考とリラクセーションは体の助けとなり、制約を受けず、効果的かつ悪影響なく出産する能⼒を⾼めます。⾃⼰催眠によって、⽣理学的に組織に影響を与え、成功の鍵を握る⾏動を精神的に作り変えることが可能です。
⼈がリラックスした状態にあるとき、⼼はより⾃由に簡単に、イメージの世界に⼊っていくことができます。潜在意識というのは、それが現実に体験していることなのか、空想の中の出来事なのかを単純に区別することができず、暗示されたビジョンを本物として受け⼊れるのです。さらに、イメージを繰り返し⾏うことによって、そのビジョンと現実が同化し、望んでいる結果に対する確信を持つことができます。
この⼼の法則を積極的に適応し、楽で穏やかで快適な出産の成功・達成イメージを作っていきます。これは『ヒプノ⾚ちゃん』の基盤となるものです。
⾃⼰開発のコンサルタント、オリンピックのコーチ、スポーツのトレーナー、さらには医学の分野にいる⼈は、⾃分が望む⽬標や結果を⼼の中に思い描く視覚化の過程は、その⽬標達成のための重要な要素であることに気づき、⾃⼰催眠やイメージトレーニングをプログラムに組み込んでいます。
幸せの相乗効果
『ヒプノ⾚ちゃん』で学んだ⾃⼰催眠法のスキルは、⼦どもの出産においてはもちろんのこと、⼈⽣の様々な⾯においても適⽤することができます。
⽇々の状況に対処する⽅法においてもプラスとなり、夫婦関係においても、お互いにどう向きき合っていくかということについて、好ましい影響を受けます。
またリラクセーションは⾚ちゃんにとっても鎮静効果があり、出産後の⾚ちゃんの成⻑にも影響を与えます。『ヒプノ⾚ちゃん』で⽣まれた⼦どもたちに共通してみられる傾向として、“⾃然で温厚な性格”“ゆったりとしている”“⽬線が定まりどっしりと落ち着いた存在感がある”と親たちは報告してくださっています。
ここでご紹介した内容はほんの⼀部の概要です。
単に痛みを和らげるといった実践的なテクニックにとどまるものではなく、⽣命の誕⽣という極めて神秘的なライフイベントを、本来あるべき形で⾏うことを⼿助けするものです。
また、⺟親⽗親になっていく両親の⼼のプロセスに寄り添う『出産前準備メンタルケア』では、夫婦間のコミュニケーションのとり⽅を学び、必要を感じた場合(ご本⼈の意思)、幼少期のトラウマを癒していきます。そして、潜在意識下で⾚ちゃんと対話し魂レベルからのコミュニケーションを図る『胎話法』などもプログラムの中核にあたります。このように『ヒプノ⾚ちゃん』は、家族の愛と信頼の絆を誕⽣前からしっかりと結んでいくプログラムです。
出産という体験は、その後に続く育児への通過点です。豊かな⼦育て、深い愛に根ざした育児の基盤を『ヒプノ⾚ちゃん』はサポートしていきます。
『ヒプノ⾚ちゃん』の講座では、そういった様々な⻆度からあなたと⾚ちゃんとご家族に寄り添い、⼈⽣に幾度もない出産体験が素晴らしいものとなるよう、プラクティショナーが⼀つ⼀つ丁寧に指導しサポートしていきます。
世界に存在する催眠を取り入れた痛みのない出産法
催眠技法を用いた出産法は、決して新しいものではありません。
世界に目を向けると、実は、19世紀前半から実施されてきたものなのです。
いくつかの例をあげてみますと……
1840年にベルリンのゲーリン、1863年にスイスのラ・フォンテーヌなどが、それぞれ独自に探究し、出産を無痛にすることを可能にしていました。
1880年頃からは、フランスの医師会が一般の治療法として催眠を用いていましたが、出産にも用いたところ、「催眠技法によって無痛で分娩を進行させることができる」と指摘。
1899年、フランスのポール・ジュレは、「痛みは出産の本質的な特徴ではなく、有用な生理学的作用としてはまったく役立たない」と結論づけています。
1930年代のロシアでは、産科医たちが出産に催眠の暗示法を用いて、痛みを解消するうえで確かな効果があることを実証しています。
1933年には、グラントリー・ディック・リード医師が、分娩時に深くリラックスしていると、モルヒネの200倍と言われている鎮痛弛緩作用のあるホルモン、“エンドルフィン”が大量に分泌することを発見。著書『自然な出産』の中で、「恐れが緊張を生み、陣痛の原因になる」と唱えています。
日本でも広く知られているラマーズ法は、まさに催眠出産法の代表格と言えるもの。フランスのフェルナン・ラマーズ医師が、20世紀半ばに開発したもので、恐怖や不安、思い込みをなくし、暗示と呼吸法によってリラックス状態を作り出すことが基本です。
このように、催眠の技法によって痛みを軽減させる穏やかな無痛分娩法は、19世紀から細々とではありますが、継承され続けてきたのです。
この方法を実践した出産に立ち合ってきた多くの医師たちは、出産に痛みは避けられないという概念が不要であること、それよりも妊婦さんに、「無痛で出産できることを教えるべきだ」と気づいていたようです。
けれども、ますます医療の業界全体が西洋医学一辺倒になり、医薬品開発が進むうちに、あらゆる病気や症状は薬でコントロールできるという概念が広く浸透していきました。出産に関してもいつのまにか、分娩という自然なリズムの動きすら、薬でコントロールされるようになってしまったのです。
ジョナサン・ダイ医師(1891年)
生物学的法則によると自然で正常な体の機能は危険や痛みを伴わないものなのです。健康で正常な女性と健康な赤ちゃんにとって出産とは正常な生物学的機能です。したがって、健康な女性が健康な赤ちゃんを出産する場合には危険や痛みを伴わない安全な出産が可能であると推測することができるのです。
ポクラテス(紀元前460年―紀元前377年:古代ギリシャの医師)
自然こそが最高の医師であり、「中間者の干渉」による指図を受け取ることなく機能するにまかせるべきである。
ラントリ・ディック・リード(1953年)
単に母親にも子どもにも事故のリスクのない楽な出産ではありません。そのさらに先へ行かなければならないなのです。出産とは根本的に、身体的な達成だけではなく精神的な達成でもあるのです…。子どもの誕生とはこの上なく完全な人間愛なのです。