『ヒプノ赤ちゃん』の説明会でいろいろな話を聞いて、出産に対する概念がガラリと変わりました。「本来、女性には自然に産める力があり、赤ちゃんは教わらなくても回りながら自然に自分の力で出て来れる」。その手助けをすることが自分の役割だと理解し、「やってみよう!」とスイッチが入りました。子どもを授かった時点で、「赤ちゃんが自分たちを選んで来てくれた」と思うと縁や繋がりが感じられ、また胎話法でお腹の赤ちゃんと実際に話ができたときから、『ヒプノ赤ちゃん』は三人で取り組んでいるのだという意識が強くなりました。
『ヒプノ赤ちゃん』の目的の一つに、女性が痛みを感じないというのは当然あるけれど、それはあくまでもお母さん側の視点。私たちは「赤ちゃんが出てくるのをいかに二人で手伝ってあげられるか」という視点に立って、出産の予行演習のつもりで、呼吸法やイメージ化の練習をしました。主役が赤ちゃんで、この子が幸せに生まれてこれるようプロデュースするという意識でした。そのモチベーションがあったから、私自身も続けることができました。
自宅出産の予定が、実際のお産は思いがけず早くに破水し、それからが長かったです。医師から、羊水が出続けると負担がかかるので、薬を打つか帝王切開になることもあると言われましたが、「赤ちゃんが自分の決めたタイミングで出てくる」と信じることができ、焦りや不安はありませんでした。『ヒプノ赤ちゃん』を学んでいなければ、医師の言われるままだったでしょう。
生まれる当日、彼女自身、ずっとお腹に手をあてて、波動がきたら呼吸法を繰り返し、リラックスして過ごしていました。練習した通りに、とてもうまくできていて、本人も痛い様子はなく、分娩台に上がってからも呼吸を整えて意識を集中していました。私は耳元で話しかけ続け、それに合わせて彼女が呼吸法を繰り返していたら、とても穏やかに自然に赤ちゃんが生まれてきました。
私たち夫婦は『ヒプノ赤ちゃん』に出会えたからこそ、お腹にいるときから毎日が楽しかったし、いざ本番というときも焦りや不安がなく思い描いていたようにできました。「上手に生まれてこれたね!」と、静かな感動と共に我が子を迎えることができました。
すでに家族としての繋がりと愛情を強く感じていましたから、その先の子育ても二人でやるのが当たり前。スタート地点ですでに家族の絆ができていることは、サポート役の父親にとって、実は一番大きなこと。それだけでも、取り組む価値があるでしょう。